Zeenoh Games
URL:http://www.zeenoh.com/
所在地:フィリピン マニラ市ケソンシティ
設立:2008年9月4日
社員数:4名
フィリピンゲーム開発協会 Game Developers Association of the Philippines (GDAP) 会員
第2回目のインタービューは、引き続きフィリピンのゲーム開発ベンチャーであるズィーノゲームズ社長のジョホンディ・アベナーザさんにお話を伺います。
第1回は以下より。
第1回 アジアのゲームデベロッパーインタビュー フィリピン FunGuy Studio編
夢のお告げとiPhone革命
今日はよろしくお願いします。
ズィーノ:
よろしくお願いします。
まず、御社の設立に至った経緯を教えていただけますか?
ズィーノ:
ズィーノゲームズは2008年9月4日に設立されたのですが、その設立に至るには、私がある夜にみた夢がきっかけになっています。
2008年のある夜、私は空を飛び、巨大なクエスチョンマーク(?)に追いかけられる冒険の夢を見ていました。その巨大クエスチョンマークについには追いつかれてしまい、加えて様々な巨大な文字や数字があらわれて私に覆い被さり、そして大爆発を起こしたのです。
しばらくすると地平線の彼方にアルファベットがふわふわ浮かんでいるのが見えました。よく見ると私の名前のアルファベットだということがわかりました。
そして、その中からZ E E N O Hという文字がはっきりと前に飛び出してきたのです。
私はこの夢には、なにか意味があるに違いないと考え、会社名をZeenoh Gamesにすることに決めました。
幸いフィリピンではZeenohとはSinoと発音されることが多く、タガログ語でSino?とは日本語の「誰?」という意味です。頻繁に使用される言葉でもあるし、意味合いも面白いと思いました。よくよく考えてみると、最初に追いかけられていたクエスチョンマークにもつながりますしね。(笑)
なるほど、会社を設立するよう夢のお告げがあったというわけですね。設立のきっかけは良くわかりました。ところで、ご自身は起業する前からゲーム開発に携わっていたのですか?
ズィーノ:
起業する前は、私はウェブディベロッパーとしてウェブサイトの企画やプログラムなどの仕事に携わってきました。
何よりも小さいころからゲームが大好きで、NintendoやSegaなどあらゆるゲームコンソールで遊んできたんですよ。いつか自分のプレーしてみたい夢のゲームを開発する為に独立したいと思っていました。
幸いウェブディベロッパーとして経験を積み、セミナーなど、学校でも教える機会を得、その時に出会った生徒の中から声をかけて一緒に働く仲間を集めました。会社がスタートしてしばらく、どのプラットフォームを選択するか迷っているときに私たちの方向性を決定づけたのはiPhoneの登場でした。
小規模の独立ディベロッパーでも良いソフトを作れば世界のマーケットにアピールできるという可能性がとても魅力的でした。それ以前はFacebookのゲームの開発なども挑戦しましたが、マネタイズが非常に難しいので完全に撤退し、すぐにモバイルにシフトしました。
ゲームハイライト
Balloon Gataway
https://itunes.apple.com/app/id519937709?mt=8
時代背景は産業革命がもたらした技術革新で気球が空を自由に駆け巡っている古き良き時代。
戦闘型の気球を操り、空から攻めてくる敵と地上の構造物を破壊するゲーム。
気球のコントロールはiPhoneを傾けて行い、上下左右のコントロールができる。
なお、このゲームは2012年Kiip社主催のBuildファンド賞を受賞した。
対応機種:iPhone, iPod touch, iPad. iOS 4.3以上
価格:無料
カテゴリー: Games
アップデート:Oct 22, 2012
バージョン:1.3
サイズ:89.3 MB
言語: 英語
自然体から生み出されるFree(自由)な価値観
開発やマーケティングの際に気をつけている点などありましたら教えてください。
ズィーノ:
開発で気をつけた点は、一言で言うとシンプリシティです。簡単にプレーできるということを一番に考えました。
その他、アプリ内での新キャラクターの購入や、ステージの追加などユーザーがスムーズに購入できるかにも気を配りました。
宣伝に関してですが、これまでは幸運なことに、プレスリリースだけでいろいろなメディアに取り上げてもらいました。特にマーケティングに力を入れていたわけではないので今後マーケティングにも注力したいと思っています。
このゲームの着想はどこから得られたのですか?そしてその開発に特別な手法などはありますか?
ズィーノ:
開発はすべて自然な流れを意識して作っています。
チームのコンセプトメイキングのプロセスを尊重しています。何をして遊ぶゲームなのかという原則にフォーカスを当てながら、どんなトリックやツールを使うのかという肉付けをしていきます。それからどんなパワーアップツールなどを用意すればユーザーのゲーム時間が増えていくかなどを考えていきます。あとは、これまで我々が開発したゲームは空を飛ぶゲームが多いですね。これは私が最初にお話しした夢の話にもちゃんとつながっています。
このゲームは、無料で配布されていますが、収益の確保についてなにか戦略などがありましたら教えてください。
ズィーノ:
最初から我々はフリーミアム戦略で行こうと考えています。
ゲームは無料でダウンロードし、プレーして楽しむことができる。その中でもっとプレーしたい人やアイテムやツールなどを購入したい人向けにオプションを用意して収益を確保していくというのが私の考え方です。
今のところ高額な有料ゲームなどをリリースすることは考えていません。
販売する地域など、特にターゲットとして意識している地域はありますか?やはり地元フィリピンの人に喜んでもらいたいのでしょうか?
ズィーノ:
いえ、特に決まったターゲットはありません。世界中の人に喜んでもらえるゲームを開発するのが目標です。
今日はお時間をいただきありがとうございました。
夢で見た不思議な出来事と、小さいころからの夢だったゲーム開発とが絶妙に混ざり合った考えが、彼の発想を生み出す源でもあり仲間とともに新しいゲームを生み出していく原動力となっていると感じた。
自分たちは何者か、誰の為のゲームなのか?フィリピンのベンチャー企業の挑戦は続く。